CASE 1

精密根管治療 症例

精密根管治療

治療例 1

前歯の根の先に膿がたまり、歯肉の腫れと痛みに悩まされていた症例

患者様は以前前歯に外傷の経験があり、他院にて神経を除去する治療をされていました。治療後数年経ってから、前歯の歯茎が腫れて膿が出てきたり、痛みが出るといった症状に悩まされていらっしゃいました。
当院で診査を行うと、レントゲンで右上の前歯の根の先に炎症が起き、膿がたまっていることが確認できました。
根の先の炎症は、歯の中に新たに入ってきたバイ菌が根の中で増え、根の先の骨の中に出ていくことで起こります。体の免疫力との関係で、症状が強くなったり引いたりを繰り返します。

治療は、再度根の中を治療する「感染根管治療」、もしくは外科的に根の先を切断して膿を除去する「歯根端切除術」が適応になります。今回は、患者様ご本人の希望もあり、冠をはずして根の中にアプローチする「感染根管治療」で治療をおこなうことになりました。
セラミックの冠をはずし(治療中は仮歯を入れるので、審美的に問題になることはありません。)、中から出てきた金属の土台を慎重にご自身の歯を削らないようにマイクロスコープで拡大して見ながら除去を行いました。
土台を外すと中は感染をおこし以前治療した時に入れたお薬が腐ってしまっていました。専用の器具を使い慎重に根の中の感染を除去し、消毒薬で洗浄します。

2回ほどの治療で、腫れとお痛みが引いて症状が改善しました。その後、根の中に再度お薬を詰め、樹脂を使用した土台を立ててセラミックの冠で歯を入れました。真ん中の前歯で非常に目立つ位置にありますが、隣の歯との色合わせはうまくいったと思います。
術前のお痛みや腫れは改善し、レントゲンでも膿のある部分は殆どなくなりました。引き続きしっかりと経過を追っていきます。


  • 1.治療前

    右上の一番真ん中の前歯に腫れやお痛みがあり来院されました。
    一見きれいな冠で治療できているように見えます。

  • 2.治療前のレントゲン

    レントゲンで撮影すると、根の先に黒い影あり、膿が溜まっている様子がわかります(黄色い矢印)。
    歯と冠の間にある隙間から入ったばい菌が、歯の中で増えて根の先に出ていき炎症を起こしていることが原因です。

  • 3.セラミックの冠を外す

    治療はまずセラミックの冠を外すところから始まります。
    中から金属の土台が出てきました。

  • 4.金属の土台を除去

    金属の土台を除去します。
    マイクロスコープで拡大してご自身の歯を触らないよう慎重に少しづつ除去していきます。

  • 5.根の中を確認

    歯の根を触らないように慎重に土台を除去すると、その下から以前治療した際に入れたと思われるお薬がばい菌に感染していることがわかりました。膿もたまっている様子がわかります。
    マイクロスコープで拡大してみると、根の中の様々な問題が手に取るようにわかります。

  • 6.感染した薬を除去

    先端が0.3ミリほどの非常に小さな器具を用いて慎重に中の感染したお薬を除去していきます。
    マイクロスコープ専用の器具を用いることで精密で安全な治療を行うことが可能となります。

  • 6-2.感染した薬を除去

    根の中の汚れを除去し数回に渡り中を消毒液で洗浄すると、根の先から出る膿がほとんどなくなりました。マイクロスコープできれいな組織が確認できます。
    根の中から出る汚れがなくなったことで身体が治る力を発揮してくれているようです。

  • 7.ばい菌が入らないように封鎖

    患者様にも症状がなくなったことを確認し、根の中に新しいお薬を入れ、新たなばい菌が入らないように中を緊密に封鎖します。

  • 8.土台を立てる

    根の治療を終えた後に土台を立てます。土台は金属を使わず、グラスファイバーの芯棒を立て樹脂で固めます。
    金属を使わないため光を通すことができ、審美的な処置が行えます。また、グラスファイバーは固くしなやかで、歯にかかるストレスが少なくなると研究で報告されています。

  • 9.型取り

    仮歯で歯の形を色々と検討し、患者様にも納得していただいたところで型取りを行います。
    型取りは、入れる冠の精度を左右する大事な工程です。精密な型取りを行えるシリコンの型取り材を選択しています。

  • 10.セラミックの冠を作製

    型取りとお口の中の写真の情報をもとに、当院の担当技工士さんに美しい歯を作っていただきました。金属を使わずすべてセラミックでできています。

  • 11.セラミックの歯をセット

    セラミックの冠をセットしました。
    色や形など隣の歯との調和も取れて患者様にもご満足いただけました。

  • 12.治療後の経過

    治療後も定期的な経過観察をさせていただき、治療した歯の経過を追わせていただいています。
    2年8ヶ月経過しましたが、根の先の膿は消失し、不快症状もなく美味しくご飯が食べられる良好な状態が続いています。

  • 12-2.治療後の経過

    2年8ヶ月経過した口腔内写真です。
    この先も、責任を持って経過を追わせていただきます。

術前術後(2年8ヶ月後)の口腔内写真

治療費前歯感染根管治療前歯
110,000円(税別)
治療回数4回(根の治療のパート)
治療リスク再発がおこることがあります。再治療、もしくは外科的な治療で対応します。

治療例 2

難しい形状をした根を、マイクロスコープで適切に治療できた症例

患者様は、左下の奥歯が何度か腫れたことがあり、噛むと痛みがあると来院されました。
原因を調べると、下の奥歯に現れる、特殊な形をした根の中に感染をおこし、お痛みが出ていました。
根が分かれておらず、癒合して神経の管がCの形をしています。専門用語で、「樋状根(といじょうこん)」といいます。アジア人に多く30%くらい方がこの形をしています。異常ではなく、どなたにでも現れる可能性のあるものですが、形が複雑で治療が難しくなる傾向があります。
この治療ではマイクロスコープを使うことで根の形をしっかりと把握し、隠れたばい菌や汚れを隅々までお掃除したところ、症状が無くなりました。根の治療後は、セラミックの歯を入れて長期間安定した状態で過ごされています。


  • 1.治療前

    左下の歯が噛むと痛みがあると来院されました。

  • 2.治療前のレントゲン

    お口の中の診査と、レントゲンで一番後ろの歯が原因とわかり根の治療(感染根管治療)を開始します。

  • 3.被せものと土台を除去

    被せものと土台を除去すると、中に入っている以前治療した時に入れた材料はかなり汚れていました。
    被せものがゆるみ、中に沢山のばい菌が入ってしまったからです。(マイクロスコープ録画画像)

  • 4.失われた歯を補強

    まずは虫歯をきちんと取って、根の治療中に問題がないように失われた歯の補強をします。(マイクロスコープ録画画像)

  • 5.ラバーダムをして根の中を掃除

    ラバーダム(お口の中と治療する歯を隔離する処置)をして、根の中のお掃除に入ります。
    中はかなり汚れていました。マイクロスコープを見て、残されていた器具の一部などを含め中を綺麗にしていきます。

  • 5-2.ラバーダムをして根の中を掃除

    根と根を繋ぐ部分をよく観察すると、汚れが詰まっていたので、お掃除していくと、さらにその下から汚れが出てきました。

  • 5-3.ラバーダムをして根の中を掃除

    消毒液で何度も中を洗い、ようやく綺麗になりました。
    この頃には患者様の症状も無くなっていました。

  • 6.ばい菌が増えないように中を埋める

    綺麗になっても中が空っぽではまたばい菌が増えてしまうため材料で隙間無く埋めていく処置(根管充填)を行いました。

  • 6-2.ばい菌が増えないように中を埋める

    隙間なく緊密に詰めることができました。

  • 7.根管充填をした時のレントゲン

    根管充填をした時のレントゲン写真です。
    C型の根を詰めると、この様に帯状に詰め物が確認できます。

  • 8.セラミックの歯をセット

    土台を立てて、型取りをしセラミックの歯をセットしました。

  • 9.治療後の経過

    4年9ヶ月後、症状無く安定しています。
    手前の2本の歯も根の治療をやり直しセラミックの歯にしました。

  • 9-2.治療後の経過

    6年1ヶ月後、全く問題なく経過しています。
    セラミックの冠も長期間いい状態を保っています。引き続きメンテナンスを行いながら経過を責任持って追っていきます。

  • 9-3.治療後の経過

    6年1ヶ月後のレントゲン写真も問題ありません。

術前術後(6年1ヶ月後)の口腔内写真

治療費大臼歯感染根管治療
130,000円(税別)
治療回数4回
治療リスク再発がおこることがあります。再治療、もしくは外科的な治療で対応します。

治療例 3

歯の神経が死んでしまい、根の周囲に膿がたまり腫れてきた症例

患者様は1年ほど前に他院にて虫歯治療した歯が最近になって腫れてきて痛みがあると来院されました。
診断の結果、歯の神経はすでに死んでしまっていて、その影響で歯の周りの骨に膿が溜まり、歯肉が腫れていました。
治療は、無菌的な環境を作るラバーダムを使用し、歯に新たなばい菌が入らないように配慮し、腐った神経を除去する「感染根管治療」を行いました。
歯肉の腫れや膿の出口は1回の治療で引いてきました。その後、中を消毒する処置を行い、3回目にきれいにした根の中を、封鎖する処置を行いました。その後、セラミックの被せものをして失われた歯を回復しました。
1年9ヶ月後のレントゲンでの経過観察では、術前にあった根の周囲の膿の像はほとんどなくなり、健康な骨が回復しました。


  • 1.治療前

    左下第一大臼歯の歯肉に腫れがあり、ニキビのような膿の出口があります。 噛んだ時の痛みがありました。
    診査をすると神経は反応がなく死んでしまっていました。

  • 2.治療前のレントゲン

    レントゲンで黒く抜けているところが膿の溜まっているところです。

  • 2-2.治療前のレントゲン

    赤線で囲った部分が歯の周りに溜まった膿です。
    歯の神経が死んでしまうと、根の先から腐った成分が出ていき、それによって歯の周りに炎症が起きるのです。
    その結果膿がたまり、進行するとお口の中に「瘻孔」と言われるニキビのような排出口を作り、膿を排出します。

  • 3.CTで確認

    CTで見ると歯の周囲の骨がだいぶ失われていることがわかります。

  • 4.治療開始

    治療を開始しました。
    まずは被せものを除去し、腐った神経までアクセスします。(マイクロスコープで撮影)

  • 5.被せ物の中を確認

    すると、被せものの中は虫歯だらけになっていました。 (緑色の部分が染め出した虫歯です)

  • 6.虫歯を除去

    まずは虫歯を徹底的に除去しました。

  • 7.ラバーダムを使用し、神経を除去

    その後、歯の補強を行い、治療中の歯にばい菌が入らないようにラバーダムをして根の中の腐った神経を除去し消毒を行いました。

  • 8.治療後の腫れの様子

    次回の来院時には歯肉の腫れが収まり、膿の出口が閉じていました。歯の中のばい菌が少なくなり、歯の周りの炎症が治ってきていることを示します。

  • 9.ばい菌が入らないように封鎖

    根の中に新たなばい菌が入らないように封鎖を行い根の治療が終了します。白く見えているのが封鎖した材料です。まだ根の周りの膿の影は残っているようです。

  • 10.セラミックの冠を作製

    虫歯によって失われた歯を回復するためにセラミックの冠を作製しました。
    セラミックは、歯に非常に近い色、形を再現でき、表面に汚れがつきにくく、さらにアレルギーの出ない体に優しい材料です。

  • 11.セラミックの冠をセット

    セラミックの冠をセットしました。
    審美的にも非常に美しく仕上がりました。

  • 12.治療後の経過

    1年9ヶ月後の経過観察時の写真です。

  • 13.治療後のレントゲン

    1年9ヶ月後の経過観察時のレントゲンです。
    術前にあった歯の周りの大きな膿の影はほとんどなくなりました。歯の周りには健康な骨が再生してしっかりと支えてくれています。
    人によって治る時間は様々ですが、歯の中のばい菌がなくなることで、身体が治る力を発揮できると徐々に炎症によって失われた骨が戻り健康な状態に戻っていきます。

  • 14.術前術後のレントゲンの変化

術前術後の口腔内写真

治療費感染根管治療
130,000円(税抜) ※土台、冠の料金は別途かかります
治療回数3回(根の治療のパート)
治療リスク再発がおこることがあります。再治療、もしくは外科的な治療で対応します。

治療例 4

術前の診断からマイクロスコープで根の中を見て問題を確定した症例

左下の第一大臼歯の根の治療です。患者様は、噛むときの違和感を訴えていらっしゃいました。
術前のレントゲンでは、はっきりと原因が読み取れなかったのですが、CTを撮るとで根の内側を土台の足が突き抜けている可能性があると考え、患者様の同意の上、根の治療を開始しました。
実際に土台を外し、根の中をマイクロスコープで拡大して見てみると、土台の足の先端部分が歯の外に突き出しており、炎症を起こしていることがわかりました。
このように、本来開いてはいけないところに穴が空き、根の外と交通してばい菌が入ってしまう病態を専門的に「穿孔」といいます。穿孔は、従来治療が困難なケースも多く、経過も不確定な部分が多い治療でした。しかし、現在は、封鎖材料の進化により、感染を制御した上で封鎖をしっかり行うことで、歯を保存できる可能性が増えています。
本症例も、穿孔部の汚れを綺麗にし封鎖を行い、症状が無くなったことを確認し、根の治療を終えました。現在は3年6ヶ月の経過を見ていますが、経過良好で問題ありません。
今後も丁寧に、メンテナンスと共に経過観察を続けて行きたいと考えています。


  • 1.術前の口腔内写真

    術前口腔内写真です。
    噛んだときに違和感が気になると来院されました。

  • 2.術前のX線写真

    レントゲン写真では大きな問題が無いように見えますが、金属の土台が歯の生えている方向と違う方向に入っていることがわかります。

  • 3.術前CT診断

    CTで確認すると、土台の足の部分が根の内側の表面ギリギリに入っています。ここに問題がありそうだと考え治療を開始しました。

  • 4.冠と土台を除去

    冠と土台を除去し、まず虫歯になってしまっている部分を徹底的に除去します。

  • 5.歯の補強(隔壁)

    虫歯を除去した後に、薄くなった歯が根の治療中に問題がないように補強します。専門的には隔壁と言います。

  • 6.仮歯を作成

    治療中に噛める状態を維持するため仮歯を作成します。

  • 7.仮歯のセット

    このように治療中に噛んでも問題ないと判断した場合は、仮歯を入れて治療を進めることもあります。

  • 8.根の中は・・・

    では、根の中はどうなっていたのでしょう。
    写真に見えているのが治療する歯の後ろ側の根です。土台の方向がやはり内側にずれていたため本来の根とは違う方向に穴が空いていました。穿孔という状態です。
    これが違和感の原因だと考えられます。

  • 9.穿孔部の汚れを綺麗に

    マイクロスコープ専用の小さな器具を使い、穴の周りの感染物を丁寧に取り除いていきます。マイクロスコープで見ることで非常に鮮明に状況を知ることができます。

  • 10.穿孔部を綺麗にして封鎖

    間違えた方向に空いていた穴の周りを綺麗にお掃除し、消毒した上で穴を塞ぎ、外との遮断を行いました。

  • 11.穿孔部封鎖後のX線写真

    後ろの根の穴が適切な材料で埋められている様子が確認できます。外との遮断を適切に行うことが重要です。

  • 12.本来の根も綺麗に根管充填

    その後、本来の根の中も綺麗にし、症状が無くなっていることを確認し、根の中に最終的なお薬を入れました。

  • 13.経過を見ながら仮歯を調整

    仮歯と歯の際の部分の段差が無いように仮歯を調整し、歯肉の状態を整え型取りをします。

  • 14.オールセラミックスクラウンを作製

    型取りした模型からオールセラミックスクラウンを作製しました。

  • 15.オールセラミックスクラウンをセット

    オールセラミックスクラウンをセットした直後です。
    自然な形に再現することができました。

  • 16.セット時のX線写真

    根の内側の封鎖をした部分は安定しているようです。

  • 17.治療後3年2ヶ月後の口腔内写真

    術後3年2ヶ月の写真です。大きな問題なく経過良好です。

  • 18.治療後3年6ヶ月後のX線写真

    こちらは3年6ヶ月のフォローアップ時のX線写真です。問題なく経過しています。
    今後も丁寧に経過を見て行くことをお伝えしました。

術前術後(3年2ヶ月)の口腔内写真

術前術後(3年6ヶ月)のX線写真

治療費感染根管治療 大臼歯
130,000円(税抜) ※土台、冠の料金は別途かかります
治療回数4回(根の治療のパート)
治療リスク症状の再発が起きた場合、原因を確認し、再治療、もしくは外科的な治療で対応いたします。

あきらめないで、ご相談ください

このような専門的な知識とテクニック、設備を用いることで、今まで残すことが難しいと考えられていた歯を保存することが可能になってきました。

何度も腫れを繰り返している、痛みが全く取れない、他のクリニックで抜歯することになった、綺麗な歯を入れるための基礎工事をしっかりやっておきたいなど、歯を残すことについてどんな小さなことでもご相談ください。

少しでも歯のお悩みの解決の力になれれば嬉しいです。

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